ドラフトコンバインとは?

ドラフトコンバインはドラフト前の5月ごろに行われているドラフト指名が有力視されている選手を招待して、スカウトたちが実際の動きなどを確認する場です。主に米国内の選手に対して行われていて、シューティングドリルや身体能力の測定を行い、その能力を示します。渡邉雄太選手も2018年に出場予定でしたが怪我もあり、複数のチームとのインタビューだけにとどまりました。

全ての有力選手が参加するわけではなく、既にチームからドラフト指名の約束を取り付けている選手などはあえてドラフトコンバインを回避して価値を落とさないようにする選手もいます。2019年のドラフト9位、八村選手はドラフトコンバインのころには何処かのチームからのオファーが既にあるという噂が流れていました。それを裏付けるかのようにドラフトコンバインを回避しています。



ドラフトコンバインで選手としての価値が上下する

2018年の渡邉雄太選手は残念ながら怪我でドラフトコンバインに出場できませんでしたが、もし出場していたらさらに良い条件でNBAに参加していたかもしれません。ドラフトコンバインではNBAのスカウトたちが選手の基本能力に目を光らせているため、アピールのチャンスになります。一方で期待されていた選手がそれほどでもなかったと評価を下げる場合もあります。

前評判が高くても体調に波のある選手だったり、少しでも不安要素がある選手は回避して価値を落とすリスクを下げる選手もいます。一方でよりよい条件を探している選手やそもそも前評判が高くてもさらに自信たっぷりの選手はコンバインに参加してきます。2019年ドラフト1位のザイオン選手などはドラフトコンバインに参加しています。(2019年の参加者は66名)

ドラフトコンバインでは実技以外にもNBAチームからのインタビューなどもあるため、これだけを受けるという選手もいます。

ドラフトコンバインでは5対5のスクリメージなども用意されているため、個々での活躍も重要になってきます。

NBA ドラフト・ロッテリー

このドラフトコンバインが行われる少し前にはNBAドラフトロッテリー(NBA Draft Lottery)と呼ばれる抽選会が行われます。今シーズンのプレイオフ進出を逃した14チームがドラフト上位12番目までの指名順を決める抽選が行われます。それ以降のチームはレギュラーシーズンの勝率が低いチームから順に選手の指名ができます。最下位だったチームは5位以上の指名権が保証されていて、全体1位指名の権利を得る確率も下位チームほど高くなっていきます。

2巡目以降の31番~60番目についての順番はレギュラーシーズンの勝率が低い順になります。

このドラフトピックの順番はロッテリーなどで決まった後に譲渡などが行われて順番が変わったりします。これは選手のトレードなどが行われた際に獲得する予定のドラフト順位を譲渡するなどの条件を追加するなどしてトレードのバランスをとったりするからです。

スポンサー獲得へのアピールにもなる

第2回で紹介したポーツマス・インビテーショナル・トーナメントやドラフトコンバインはNBAドラフトだけでなく、シューズやウェアのブランドスポンサー獲得のアピールの場もなっています。そういった観点からもすでにチームが決まっていても出場して自分をPRする選手もいます。ここでの活躍が報じられると、おおくのメーカー・ブランドが興味を持ちます。

日本人がNBA選手になるためのまとめ

日本人はアメリカやヨーロッパの選手に比べて身体能力に大きな差があるため、それをカバーするメンタリティとバスケットボールの技術やIQが必要になります。NBAに行くルートは様々ですが、とにかく高校までに日本を代表するプレイヤーになっていなければ道が開けてきません。

最も輝かしい道はNCAAリーグに参加している米国の大学へ進学し、活躍してドラフト指名を受けるというものです。これがかなわない場合でも、NBAのサマーリーグに参加するために、日本に居てBリーグで活躍し高い評価を得るなどの方法があります。

ミニバスのうちからNBA選手を目指している人も多くいると思いますが、焦るとピークが早く来てしまい、選手としてつぶれてしまう場合もあります。とにかく焦らずに高校での活躍に焦点を当てるべきです。NBA選手の多くは中学校からバスケットボールをはじめそれまではアメフトや野球をやっていた選手も多くいます。身体能力の高い選手は特にそのような傾向があります。

とにかく日本人にとって不利な条件が多いバスケットボールの世界で、その頂点ともいうべきNBA選手になるには信じられないような努力を続けない限りその達成はむずかしいのは間違いありません。

人の何倍も練習しそれを継続できる強いメンタリティも必要です。

以上

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