出身大学:カルフォニア州立大学フレズノ校
ドラフト:2010年 10位
ポール・ジョージ(Paul George)は、その滑らかなオフェンスと鉄壁のディフェンスでリーグ最高峰の「Two-Wayプレイヤー(攻守両面で優れた選手)」の一人として長年君臨するスーパースターです。2024年のオフシーズンに大きな注目を集めた末、フィラデルフィア・76ers(Philadelphia 76ers)へ移籍。ジョエル・エンビード(Joel Embiid)やタイリース・マクシー(Tyrese Maxey)らと共に、チームを悲願のNBAチャンピオンシップへと導くための最重要ピースとして期待されています。
経歴とキャリア: ペイサーズの顔からMVP候補へ
ポール・ジョージのキャリアは、2010年のNBAドラフト1巡目10位でインディアナ・ペイサーズ(Indiana Pacers)に指名されたことから始まりました。
- インディアナ・ペイサーズ (2010-2017): ルーキーイヤーから頭角を現し、2012-13シーズンにはMIP(最優秀躍進選手賞)を受賞。一躍リーグのスターダムにのし上がります。特にレブロン・ジェームズ率いるマイアミ・ヒートとのプレイオフでの激闘は、彼のエリートディフェンダーとしての評価を不動のものにしました。2014年の大怪我(右足の開放骨折)というキャリアを脅かす試練を乗り越え、不死鳥のようによみがえった姿は多くのファンに感動を与えました。
- オクラホマシティ・サンダー (2017-2019): トレードでサンダーへ移籍。特に2018-19シーズンはキャリアの絶頂期を迎え、平均28.0得点、8.2リバウンド、2.2スティール(リーグ1位)を記録。このシーズン、彼はシーズンMVPとDPOY(最優秀守備選手賞)の両方で最終候補3名に残るという歴史的な快挙を成し遂げました。
- ロサンゼルス・クリッパーズ (2019-2024): カワイ・レナードと共に故郷ロサンゼルスのクリッパーズへ移籍。強力なウィングデュオとしてリーグを席巻し、2021年にはフランチャイズ史上初となるカンファレンス・ファイナル進出に大きく貢献しました。
- フィラデルフィア・76ers (2024-Present): 2024年夏、フリーエージェントとして76ersと契約。背番号「8」を選び、新たなキャリアの章を開始しました。
プレイスタイル分析: 滑らかさと堅実さを兼ね備えた万能戦士
ジョージの最大の武器は、オフェンスとディフェンスの両方でエリートレベルのパフォーマンスを発揮できる「万能性」にあります。
- オフェンス: 彼のオフェンスは「滑らか(Smooth)」という言葉で形容されます。無理のないフォームから放たれるプルアップジャンパーや3ポイントシュートは、相手ディフェンスにとって大きな脅威です。ボールを持った状態でのアイソレーション(1on1)だけでなく、スクリーンを使って動きながらボールを受け、即座にシュートを放つオフボールの動きにも非常に優れています。76ersでは、エンビードという絶対的なインサイドの核と、マクシーという高速のガードと連携し、その多様な得点スキルをさらに昇華させることが期待されます。
- ディフェンス: キャリアを通じて4度のオールディフェンシブチームに選出されていること(うち2回はファーストチーム)が示す通り、リーグ有数のペリメーターディフェンダーです。6フィート8インチ(約203cm)の身長と長いウィングスパンを活かし、相手チームのエーススコアラーを封じ込めます。スティール王に輝いた実績もある通り、鋭い読みと素早い手でパスコースを遮断します。
主な実績とスタッツ
- NBAオールスター選出: 9回 (2013, 2014, 2016–2019, 2021, 2023, 2024)
- オールNBAチーム選出: 6回
- ファーストチーム: 1回 (2019)
- サードチーム: 5回 (2013, 2014, 2016, 2018, 2021)
- オールディフェンシブチーム選出: 4回
- ファーストチーム: 2回 (2014, 2019)
- セカンドチーム: 2回 (2013, 2016)
- NBAスティール王: 1回 (2019)
- NBA最優秀躍進選手賞 (MIP): 1回 (2013)
- NBAオールルーキー・セカンドチーム (2011)
まとめ
大怪我を乗り越え、複数のチームでエースとして、あるいは強力な「1B」オプションとして輝き続けてきたポール・ジョージ。その経験、リーダーシップ、そして攻守にわたる卓越したスキルは、チャンピオンを目指す76ersにとって最後のパズルのピースとなる可能性を秘めています。30代中盤に差し掛かった今もなお進化を続ける「PG-13」が、フィラデルフィアの地でどのようなケミストリーを生み出すのか、2025-26シーズンも彼のプレイから目が離せません。
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